王様ランキング/十日草輔
まるで絵本や童話のような漫画!
その名は ザ!「王様ランキング」!
「あうあぅああうあうあぁあ(僕は世界一立派な王様になるんだ)」
王族の長男で、巨人の両親を持ちながらも、自身は体が小さく、短剣すらまともに振れないほど非力な王子ボッジ。
しかも耳が聞こえず、言葉が話せないボッジは、周りからは次期王の器ではないと噂され、どこか空虚な毎日を過ごしていた。
しかし、ひょんなことから心が通じる「カゲ」という友達を得て、人生が輝き始める。
描き下ろしもたっぷり収録の第1巻!
耳も聞こえない!口も利けない!みんなにバカにされて涙を流すこともある小さな王子ボッジは世界一立派な王様を目指して前向きに生きている。
これは、漫画を超えて絵本であり童話だ!アニメ化よりも絵本化を希望する!
個人的に童話・絵本にしたい漫画1位!…2位はまだない。
冒頭の裸のボッジ王子を観たらそう思うのではないか⁉
「アンパンマン」は絵本がアニメになったが、「王様ランキング」は逆に漫画を絵本にするべきだ!図書館で小さな子供に見せてあげたい!きっと喜ぶだろう。
昔なら日曜夜19時30分からの「ハウス世界名作劇場」で「アルプスの少女ハイジ」「赤毛のアン」「ふしぎな島のフローネ」「小公女セーラ」とならび「王様キング」をやってもおかしくない!そんな気分だ …ハウスはスポンサーで正式なのは世界名作劇場だったかな⁉
更に「世界名作童話全集」に追加したい!とりあえず、そんな漫画なんです。
友情と親子愛と兄弟愛や師弟愛などいろいろあるんだけど、この漫画の本質は聴覚障害などの身体的な障害を持っている子供への「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」だと思う!喋れない聞こえないから王様は出来るわけない、無理に決まっていると王女すらそう思っていて、城の兵士や村人たちは憐れんだりバカにもする。これが、無意識の偏見だ!
親の立場になると無理はさせたくない、危険な目にあわせたくないと思ってもしまうだろう。王女も冷たく接しているが、そういった感情もうかがえる。でもボッジ王子は自分は王様になれると信じ頑張っている。「決めつけてはいけないんだ」と訴えかけられる!
ボッジ王子は耳が聞こえなくても皆の言ってることは理解していて、そんな状況を平気な振りをして、人知れず涙を流し我慢して王様になるために毎日前向きに生きている。画風もそうだが、このような背景が絵本や童話にしたい理由だ!
王様ランキングではバトルシーンもある、「バトル」というより「たたかい」と言った方がしっくりくるかな。普通バトルシーンて盛り上がるとこなんだけど、この漫画はバトルシーン以外でボッジ王子が頑張っている話の方が楽しく感じる。頑張ってるところを観て応援してるみたいな…事なのか。
いろいろ言ったが、すでに絵本のような不思議な感覚になる漫画なので読んでみて欲しい。